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映画『海街diary』 それぞれの運命を背負って静かに生きていく姿が感動的!

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映画『海街diary』 OUR LITTLE SISTER

海街Diary-カンヌ

家族を捨てた父が、のこしてくれた家族

日常の連続性を丁寧に見せることで家族を描く

『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞した是枝裕和監督作品『海街diary』です。
原作は、吉田秋生さんの同名マンガ、未読(その後、ちゃんと読みました)です。
でも好きな漫画家さんなんです、昔よく読みました。

海街Diary

物語は・・・
鎌倉に住む三姉妹、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)のもとに別居している父の訃報が届く。
父は15年前に不倫の末、家を出て行ってしまっていた。
山形の葬儀に参列した三姉妹は、そこで父が二度目の結婚で出来た腹違いの妹・すず(広瀬すず)と出会う。
「鎌倉で暮らさない」と言う幸の一言から、鎌倉での四姉妹の共同生活が始まるが・・・というもの。

実は、好き嫌いが分かれるのかな?と、僕は大好き!とても感動した作品。
でも、この作品、日記なので、日常が淡々と描かれていくんです、大事件は起きない、昔の日本映画を見ているみたい、小津とか溝口ね。

それまで別々に暮らしていた血の繋がりの有る家族が、一緒に暮らし始めて、微妙な感情のズレとかが有りながら、その少しのズレが、ホンの少しずつ、ピタリと重なりあっていく、そんな瞬間を丁寧に描いている。
特に日本人は、と思うんですが、本音や想いを時には心の中にしまって言葉にしなかったり、そんな時の映像の見せる表情が素敵な映画でした。

一つ一つのシーンが素敵で、そこで発せられる言葉に重みが有って、原作を読んでいないのに、これはきっと吉田秋生さんの原作のセリフなんだろうなぁ~って感じさせる。
それでいて、ちゃんと伏線が有って、それがちょっとしたことで、日常の連続性を紡いてくれているところも良かったです。
とても表現が簡潔で、不要なものは見せない(逆に必要なものは間の中で見せる)、説明をしない(確か回想とかもない)ので、幸の恋愛関係がどういう形かはハッキリと描かれない、シーンの重要性をそうやって高めている。
一番良いのは「お父さん」が出て来ないことかもしれない。
そう、昔の日本の映画は余計なことをしゃべらなかった、いつから登場人物が自分の心情をしゃべりまくるドラマばかりになったんだろう。

 是枝監督が原作を気に入って映画化、脚本は是枝監督自ら書いています。
淡々としていて大上段にテーマを掲げてはいないのですが、『そして父になる』に共通する、そして吉田秋生さんがよく描く」のつながりの絆を、色々な親子の形で描いて見せてくれる。
そんな家族にとって日々の積み重ねだけが、人生を歩んでいくんだと言う事を気づかせてくれる、人生には正解がないから一歩ずつ進むんだと、そう正解は自分で見つけるしかない。

今回、四姉妹が本当に素晴らしい、奔放な長澤まさみさんもいいなぁ~と思ったら、広瀬すずちゃんの瑞々しさも、そして夏帆ちゃんの「三女だから」と軽く見られながらも、実は色々と考えてるんだよ~的なところも本当に良かった。
でも見る前、ミスキャストでは?と思った綾瀬はるかさんが本当に良かった!
キャピキャピした可愛い女性と言う今までのイメージを払拭して、とした長女の部分と大人の色気を持った女性像を作り上げていた、一皮むけた感が有った。

何回も観たくなった・・・で、おそらく映画とは違うであろう、吉田秋生さんの原作も読みたくなった、そんな作品でした。
 鎌倉に行きたくなる映像も素敵です!

脇道。

吉田秋生-海街Diary

吉田秋生さんの原作も素敵でした。
映画のセリフはほとんど原作のままでした。
ある意味、原作マンガのダイジェスト的な作りになっているのですが、そこがそうなっていない絶妙な味付けの脚本も素晴らしかった。
原作はやはり、吉田秋生さんらしい「血縁」と言うところが強調されていた。
原作もオススメです!

私的『海街diary』

① テーマが有るか?共感できるか?

人間のつながりとは何か?人は人と繋がっている、と実感させてくれます。
そして日々の生活を大切にすることを気づかせてくれます。

② 作り手の強い意思を感じるか?

原作の吉田秋生さんが作品を見て「なんかちょっぴり、くやしかった(笑)」とコメントしています。
長編マンガの原作を、エッセンスだけ抜き出してみせたところは、是枝監督の思い入れを感じました。

③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

キャスティングを見た時に「あれ?」と思ったのですが、全員が素晴らしい演技だった。
原作のキャラクターにもはまっていました。

④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

鎌倉の街が素敵に描かれています、もう一度、同じ場所を訪れてみたくなるくらい。

⑤ エンターテイメント性

静かな映画です、でも飽きることはなかった。
人生ってドラマだから・・・そのドラマをちゃんとエンターテインメントとして描いていました。

⑥ 演出が素晴らしいか?

是枝監督の小さな子供が出てくる映画は実は苦手です(汗)
どの作品でも、子役も俳優さんも生き生きとしています、この作品では子役は出てきませんが、登場人物が生き生きとしています。
だから、間が生きてくるんだと感じました。

⑦ 脚本が素晴らしいか?

原作も素晴らしい作品です、でもダイジェスト的に話を網羅してるのですが、ちゃんと伏線が張られていて、ちゃんとその伏線を回収しているので、後でジーンと来るシーンが多い、素晴らしい脚本だと思います。

⑧何度も見たくなるか?

人生の素晴らしさを、しみじみと感じさせてくれる作品です、そう言う意味で人生の節目で何度でも観たくなる作品に感じしまた。

映画『海街diary』のデータ

海街Diary

2015年 128分 日本

監督■是枝裕和
製作■石原隆/都築伸一郎/市川南/依田巽
プロデューサー■松崎薫/田口聖
アソシエイトプロデューサー■西原恵
ラインプロデューサー■熊谷喜一
原作■吉田秋生『海街diary』(小学館『月刊フラワーズ』連載)
脚本■是枝裕和
撮影■瀧本幹也
美術■三ツ松けいこ
キャスティング■田端利江
スクリプター■矢野千鳥
衣裳デザイン■伊藤佐智子
照明■藤井稔恭
装飾■松尾文子
録音■弦巻裕
ヘアメイクデザイン■勇見勝彦
助監督:兼重淳遠藤薫
出演■綾瀬はるか/長澤まさみ/夏帆香田/広瀬すず/加瀬亮/鈴木亮平/キムラ緑子/中村優子/樹木希林/リリー・フランキー/風吹ジュン/堤真一/大竹しのぶ

映画『海街diary』公式サイト

【解説】
 人気少女漫画家・吉田秋生の同名傑作コミックスを「歩いても 歩いても」「そして父になる」の是枝裕和監督が映画化。
鎌倉の古い一軒家に暮らす3姉妹が、腹違いの妹を迎え入れ、それぞれに複雑な想いを抱えながらも日々の暮らしを通して家族としての絆を紡いでいく1年の物語を、鎌倉の四季折々の美しい風景とともに綴る。
主役の四姉妹には綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。共演に加瀬亮、鈴木亮平、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ。
 鎌倉の古い家に暮らす幸、佳乃、千佳の香田三姉妹。
父は不倫の末に15年前に家を出て行き、その後、母も再婚してしまい、今この家に住むのは3人だけ。
ある日、その父の訃報が3人のもとに届く。
父の不倫相手も既に他界しており、今は3人目の結婚相手と山形で暮らしていた。
葬儀に参加した三姉妹は、そこで腹違いの妹すずと出会う。
父が亡くなった今、中学生のすずにとってこの山形で身寄りと呼べるのは血のつながりのない義母だけ。
気丈に振る舞うすずだったが、肩身の狭い思いをしているのははた目にも明らか。
すずの今後を心配した幸は、別れ際に“鎌倉で一緒に暮らさない?”と提案する。
こうして鎌倉へとやって来たすずだったが、最初は自分の母が幸たちの父を奪ったことへの負い目を拭えずにいた。
それでも、異母姉たちと毎日の食卓を囲み、日常を重ねていく中で、少しずつ凝り固まった心が解きほぐされていく。
また、入部した地元のサッカーチームでも仲間に恵まれ、中学生らしい元気さも取り戻していくすずだったが…。(映画データベース –allcinema より)

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