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広瀬すずをアイコンにした岩井俊二の傑作! 映画『ラストレター』

映画『ラストレター』

ラストレター

君にまだずっと
 恋してるって言ったら
  信じますか?

堂々のロリコン映画の傑作!

21歳(1998年生まれ)の広瀬すずと18歳の森七菜(2001年生まれ)が高校生役に!

本当の岩井俊二監督作品が帰ってきた!という興奮が冷めない、広瀬すずの高校生役が『海街diary』と被ります。
岩井俊二監督のかつての傑作『Love Letter』と同様に一人二役で、現在と過去を絡めていきます。

広瀬すずは、作品によって見え方が大きく変わる女優ですが、この作品では彼女の魅力が光ります。
一方、森七菜の清々しさと広瀬すずとの立ち位置が、映像的にも絶妙で、流石!ロリコン監督岩井俊二の面目躍如といったところです。

一方で、珍しい『花とアリス』以来の東宝作品、プロデュースは『悪人』『君の名は。』『怒り』『天気の子』の川村元気。
当初の岩井俊二の持っていた企画を、川村元気Pが大幅に変更を依頼して、今作品に至ったとのこと・・・不倫に近い関係を匂わせた物語や衝撃的な結末も、川村元気の鬱(うつ)の部分がよく現れているような気がします。
(『世界から猫が消えたなら』は余命宣告をされた若者が鬱になり妄想を見て、『億男』では億万長者になった妄想にとりつかれた鬱男の話でもあり・・・世界が崩壊しようが二人の愛が大切な『君の名は。』等、川村元気Pの作品群はどこか、ズレた若者像が存在します)

だからこそ、映像で広瀬すずと森七菜の若さが光ると思います。
そして、今まで岩井俊二監督作品を愛してきた人には、やっとこの立ち位置に戻ってきてくれた、そんな感想を抱く作品になっています。

タイトルも似ている『Love Letter』との共通性

『Love Letter』『スワロウテイル』『花とアリス』『リップヴァンウィンクルの花嫁』と数々の名作を世に送り出してきた映画監督・岩井俊二。
初めて出身地である宮城(や地元仙台)を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まったふたつの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描く。

初期の名作『Love Letter』と通じる世界観があります、その大きな要因は、まず、物語の前半と後半が大きく変わっていきます。
今作品では、前半は松たか子が演じる裕里を中心に物語が進み、後半は福山雅治演じる鏡史郎、そして広瀬すずが演じる一人二役へと繋がっていきます。

『Love Letter』は中山美穂が一人二役を演じていたのと同様に、今作品ではより複雑に、一人二役、二人一役と物語が紡がれて行きます。

そして『Love Letter』とは直接関係はないものの、『Love Letter』の主人公二人、中山美穂と豊川悦司が、夫婦役(内縁)で出てきます。
但し、『Love Letter』と『ラストレター』では直接、物語のつながりもなく、共通の登場人物や場所もありません。
ただ、『Love Letter』が撮影された当時は、日本にもまだまだ成長し続け希望もある明るい時代ですが、『ラストレター』ではその後の四半世紀で大きく、挫折や絶望にあふれる時代になったのかもしれません。

また面白いのは、少し話はズレますが、もう一人の日本の映画界の第一人者・是枝裕和監督との作品との関連性。
前述の『海街diary』では広瀬すずを高校生役に瑞々しく、一方で縁や血の繋がりを演じさせることでそのキャラクターを輝かせていました。
この作品では、男に翻弄されて人生を誤った女性と、一人のおじさんのオマージュの対象の少女という二面性に処女性と女性の欲深さを感じさせるところが面白い。

合わせて、『そして父になる』のエリートビジネスマンでありながら、駄目な父親像とも被る、うだつの上がらない小説家役が、二枚目の福山雅治が演じることで、過去とのギャップという点で、上手く演出している。
その点で、岩井俊二の中の『Love Letter』と『ラストレター』の時代の流れ、是枝裕和監督との現代の見え方という点で興味深い。

他に『エヴァンゲリオン』の庵野秀明や神木隆之介が出演という東宝ならではの豪華キャスト。
私には、岩井俊二監督の過去作品と比べても最も好きな作品となりました。

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