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映画『この森で、天使はバスを降りた』 切なく泣ける隠れた名作

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映画『この森で、天使はバスを降りた』 THE SPITFIRE GRILL

この森で、天使はバスを降りた

誰にも言えない過去を抱えて、 彼女はここにやって来た--。
凍てついた心を癒せるのは 傷ついた心だけ…。

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人が背負う過去は、果たして癒されていくのだろうか?

過去とは、未来が一瞬の現在を通り過ぎて生まれていくもの。
人々は、その一瞬の中に自分の自身の道筋を決めていく。
人々の決断は何によって行われるのだろうか?それは、その人がそれまで生きてきた人生、そう過去を引きずって生きている。
人は過去を捨て去ることは出来ない。
しかし過去の経験から、自分の未来を変えていくことは出来るはず

主人公パーシー(アリソン・エリオット)は、自分の過去に重い傷みを感じながら生きている。
人生の出直しを考えた時、緑深いギリアドの町を選ぶ。
町と言うには小さい、村という表現があっているかもしれない。

そこは緑に囲まれた美しい風景が広がる。
人は美しい自然を目の当たりにした時、自分の存在の小ささに気付き、そして自分の過去の重さが、どれほどのものか、いや如何に小さいものかを自覚する。彼女は自ら、それを自覚することに依って、自分の未来を変えようとする。

彼女のか細い身体から、そのオーラが発せられたとき、周りの人々も少しずつ変化を無意識のうちに求めていく。
スピットファイア・グリルの店主ハナ(エレン・バースティン)、息子を失った悲しみから頑なに心を閉ざす姿が、少しずつなにかが変わっていく。
料理と洗濯しか出来なかったシェルビーも、彼女との出会いの中で、自分自身を見つめ行動を起こす。

田舎のぼくとつとした青年ジョーも、この森の中の生活に光明を見いだそうと動き出す。
そして森の住人ジョニー・Bも・・・

パーシーが森を抜け小高い丘の上で歌を口ずさむ・・・大自然の中で自分の心を口ずさむ、そこへジョニー・Bが現れる。
人と人の心が共鳴しあい、変化を生み出す瞬間の輝きがそこに存在する。

この街を守ろうと、部外者の侵入に心を痛めるイーサンは、パーシーの発するオーラに恐怖する。
彼も、自分の過去に小さな傷を持っている・・・

作文コンテストの賞金がなくなった事件を境に、人々の暗い過去が、この自然にあふれた街の中に引きずり出される。
そしてこの事件で、パーシーが命を落とす・・・

それ自体は悲しい出来事、この事件がギリアドの人々の中に一つの重い過去と言う十字架を背負わせる。
しかし、その死と同時にパーシーが残したものは、その過去を背負いながらも、自分自身しか未来を変えることは出来ない、人は自分の過去は変えることは出来なくても、未来を変えることが出来ると言うことを教えてくれた事だった。

ハナとシェルビーは、作文コンテストを最後までやり遂げ、店を手にした親子を街に向かい入れる。
人は自分の過去と向かい合い、そして未来を創っていく、人にはそれが出来る。
パーシーは人々にそれを教えてくれた、だからこそその人の姿に感動し涙することが出来る。

パーシー役のアリソン・エリオットの美しさ、どこか弱々しさと瑞々しさが混じり合った姿、演技が素晴らしい。

そしてアメリカと言う国土の広さとその美しさに、改めて驚きを感じる。

『タイタニック』でアカデミー賞を授賞したジェームズ・ホーナーの音楽は『タイタニック』のそれ以上に感動を与える旋律を持っていた。

Reviewed in 02.2000

その後のアリソン・エリオット

アリソン・エリオット

アリソン・エリオット

サンダンス映画祭で観客賞をとって、当時の東京でミニシアター系と呼ばれる作品としてヒットをし、隠れた名作として話題になった作品。
監督のリー・デヴィッド・ズロートフはTVディレクター出身で、この作品の前後でも映画は作ってないらしい。

主演を演じたアリソン・エリオットは、この後、話題作『鳩の翼』にヘレナ・ボナム・カーターと共演したり、その他主演作もあるが、2000年以降はたまに小さな役で映画に出演しているのみで日本未公開が多く、TVシリーズへの出演が散見されるのみ。
久々に『20センチュリー・ウーマン』(2016)で小さな役で出演がある。

彼女はもっと活躍すると期待してましたが、残念ながら大きな役で見ることはありませんでした。
この作品から20年が経って、1970年生まれの彼女は大人の女性として今も美しいようです。

アリソン・エリオット

最近のアリソン・エリオット

映画『この森で、天使はバスを降りた』のデータ

THE SPITFIRE GRILL 116分 1996年 アメリカ
監督■リー・デヴィッド・ズロートフ
製作■フォレスト・マーレイ
脚本■リー・デヴィッド・ズロートフ
撮影■ロブ・ドレイパー
音楽■ジェームズ・ホーナー
編集■マージ・グッドスピード
美術■ハワード・カミングス
出演■アリソン・エリオット/エレン・バースティン/マルシア・ゲイ・ハーデン/ウィル・パットン/キーラン・マローニー/ゲイラード・サーテイン/ジョン・M・ジャクソン/ルイーズ・デ・コーミア

サンダンス映画祭 1996年
観客賞授賞

<ストーリー>

ある冬の夜、パーシー(アリソン・エリオット)はたった一人、田舎町ギリアドのバス停に降り立った。
古ぼけたレストラン“スピットファイアー・グリル”で働き始め た突然の来訪者に、住人たちは好奇の目を向ける。
一人息子を戦争で失ったグリルの女主人ハナ(エレン・バースティン)。
家庭に悩みを抱えた主婦シェルビー(マルシア・ゲイ・ハーデン)。
町を囲む美しい森にすら無関心になった人々。
そんな傷ついた心を、パーシーはその純粋な優しさで包み込み癒していく。
しかし彼女自身、誰にも言えない過去を抱えていた・・・。

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