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広瀬すずをアイコンにした岩井俊二の傑作! 映画『ラストレター』

エンターテインメント性

東宝の川村元気というプロデューサーは、どこか物の見かたが変わっていると思います。
岩井俊二監督の本質が、ロリコンにあることを見極め、それを引き出しつつも、『ラストレター』を現代の世に出す意味というものを考えています。

そして、東宝という日本では一番財力のある映画製作会社が、最高のキャスティングを用意しています。
森七菜→松たか子、神木隆之介→福山雅治に対して、広瀬すず→広瀬すずという点も。
一人二役に、一方で一人二役も。

岩井俊二監督の中では、あの311(東日本大震災)から、どこかで日本は再生しないと行けない、と言う思いが強いような気がします。
決して、そこに暗い影はなく、いや暗い影の先に、二人の少女を通して希望を感じさせてくれます。

演出が素晴らしいか?

原案を岩井俊二監督が考え、それに対して川村元気プロデューサーが意見をして、岩井俊二が大幅に改変した原作を映画化しています。
後述しますが、非常に複雑な脚本になっています。

その物語の流れに沿って、カメラの遠近を含め、画面が、画像が意思を持ったように観客に語りかけてきます。
何度も書きますが、一人の登場人物を複数の役者が演じ、一人の役者が二人の登場人物を演じる、と言う難しさの中で、その役者さんの個性を最大限に活かし、生き生きとしたキャラクターとして命を吹き込む、岩井俊二と言う監督には、過去の作品も含めて感嘆しかありません。

語りすぎず、必要なことは語りかけてくる、そういう意味では、松たか子と中山美穂のおばさんぶりが味がありました。
それらを含め、それを引き出した岩井俊二監督の凄さです。

ラストレター

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