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映画『お嬢さん』 変態なほど卑猥でエロい!パク・チャヌクらしい傑作

映画『お嬢さん』 THE HANDMAIDEN

幕が上がったら最後、あなたはもう、
極限の騙し合いから逃げられない――

絶賛公開中!

決してカップルで見てはいけない

こっそりと映画館に行ってください、この作品は決してカップル向きの作品ではありません

韓国のパク・チャヌク監督作品、『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』『渇き』『イノセント・ガーデン』の最新作、どの作品もエロとバイオレンスに包まれた作品たち。

このミステリーがすごい!第1位のサラ・ウォーターズの『荊の城』が原作、今回も原作は読んでませんが、映画では独特の世界観を展開しているという話、確かにここまで、ただただ卑猥な映像になってるのは凄い!

映画の方は、1938年当時の日本占領下の韓国と後半は日本を舞台にしている。
主要な俳優陣は全員韓国人、それでも少し変な日本語を駆使して物語が進行していくのは愛嬌ということで。

バイオレンスとエロさの中に人の本質を描く

この物語はミステリーであり、サスペンスである、主人公のお嬢さんの莫大な資産を誰が奪うのか?
サスペンス部分は、3人の視点から徐々に謎が解き明かされて、と言うパターン。

どうしてパク・チャヌク監督が、官能な世界を物語の中心においたか?というのが面白い。
逆に書くと、監督の他の作品でも言えることだが、エロいから成り立つ作品でもある。

私的『お嬢さん』 ※ ここからネタバレもあるかも

① テーマが有るか?共感できるか?

資産家の令嬢を巡って、物欲と性欲に溺れる男たちの愚かさを描いている。
男にとって性欲は切っては切れないもの、男が女を操っているつもりで、実は男がもてあそばれる。

その裏側には、真実の愛とは一体何なんだろう?という監督の投げかけもあるんだろうけど。

② 作り手の強い意思を感じるか?

日本の文化の中にある猥褻さを徹底的に描いている。
うーん、これって日本の韓国を併合したことへの皮肉も含まれてるのかな?ようは、演じるのは韓国人俳優だが、韓国人が日本人に化けて詐欺をしようというのも。

パク・チャヌク監督は、徹底してバイオレンスとエロさが人間の本質にあると描いている。
人間は欺き、嫉妬をして騙し、裏切る、最後に残るのは強いもの、そして美しいものが勝つと。

③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

お嬢さま役のキム・ミニと女中役のキム・テリ(オーディションで選ばれた新人!)の(本当の)体当たりの演技が凄い!

この本気度が、この作品の肝になっている、ハニー・トラップとそして愛はセックスで計るものだと言うのが良く判る。

そして、キム・ミニがネット上で松たか子に似ていると話題に、私個人的には知り合いの女優さんに似てるんだけど(笑)

④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

この卑猥さは映画でしか表現できない、果たしてこれはテレビで放送できるのだろうか?

そういう意味では、映画でしか描けない、そして人間の本質を描くという点で優れているし、この世界観を味わうとなんとも言えない楽しさがある。

⑤ エンターテイメント性

サスペンスとしても面白い!
もちろんアダルトビデオではないので、官能シーンばかりという訳ではない(とも言えないかな)。

片言でも日本語で演じるところがポイントで、日本の卑猥な文化というものが面白い

⑥ 演出が素晴らしいか?

閉じた空間の使い方が上手い、のぞき穴から見てはいけないものを見せている、そんなシーンが切り取られている。
しかも美しい映像に、官能シーンがとても工夫がされていて、なるほど~という感じで。

⑦ 原作・脚本が素晴らしいか?

サスペンス部分は原作の通りなんだと思う、ここも見どころ、ただ『ワイルドシングス』とほぼ一緒の展開なんだよなぁ~と終わった後に。

でもここまでエロティックに描くことで、ラストが本質的にセックスの相性が愛情の大きさに繋がるところがこの映画のキーポイント。

⑧何度も見たくなるか?

この毒々しさがたまらなく癖になる、いつも見たい訳ではないが、時々とても見たくなるタイプの作品。
そういうところは、パク・チャヌク監督作品に共通するところ。

人間の本質はバイオレンスとエロにある、という大人のための映画である。

映画『お嬢さん』のデータ

上映時間■145分
製作国■韓国
公開情報■劇場公開(ファントム・フィルム)
初公開年月■2017.3.3.

監督■パク・チャヌク
原作■サラ・ウォーターズ『荊の城』
脚本■パク・チャヌク/チョン・ソギョン
撮影■チョン・ジョンフン
美術■リュ・ソンヒ
音楽■チョ・ヨンウク
出演■キム・ミニ(秀子お嬢様)/キム・テリ(スッキ・珠子)/ハ・ジョンウ(藤原伯爵・詐欺師)/チョ・ジヌン(叔父・上月)

(C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED

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【解説】
 サラ・ウォーターズの傑作ミステリー『荊の城』を「オールド・ボーイ」「イノセント・ガーデン」のパク・チャヌク監督が、舞台をヴィクトリア時代のロンドから日本統治下の朝鮮半島に移して映画化。莫大な遺産を相続する日本人令嬢と、その財産を狙う詐欺師の片棒を担ぎ侍女として令嬢に近づいた孤児の少女が辿る驚愕の運命を、過激な性愛描写を織り交ぜサスペンスフルかつ官能的に描き出す。カンヌ国際映画祭で芸術貢献賞に輝いた華麗な美術も見どころ。出演はハ・ジョンウ、キム・ミニ、チョ・ジヌン、そしてオーディションで選ばれた新人、キム・テリ。
 1939年の朝鮮半島。貧民街で泥棒一家に拾われ、スリの腕を磨いて育った孤児の少女スッキ。ある日、“伯爵”と呼ばれる詐欺師にスカウトされ、彼の計画を手伝うことに。ターゲットは、支配的な叔父・上月のもとで孤独に暮らす華族の令嬢・秀子。彼女は、結婚した暁には莫大な遺産を相続することになっていた。そこで伯爵が秀子を誘惑して結婚し、財産をまるまる奪い取ってしまおうというのだった。スッキの役割は、メイドとして屋敷に入り込み、純真で世間知らずな秀子を巧みに操り、彼女を確実に結婚へと誘導していくというものだったが…。
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